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国会議員団松野頼久記者会見

【2015.11.26】松野頼久代表 定例会見


平成27年11月26日(木) 松野頼久代表 会見における発言


お疲れさまです。
今、我が党は1人1票の代表選挙を行っています。
実際に代表選挙が始まると、国会議員票の割合が非常に低いので、他党の代表選挙とイメージが違うと感じています。
自民党総裁選などに見られる、国会議員の1票をめぐって狭い世界での囲い込みや切り崩しなどが無く、議員も自分が集めた党員に対し働きかけを行わなければならないので、自分がどの候補者を支持するかを早い段階で明確にしなければなりません。今まで行われた政党のトップを選ぶ選挙とは、様変わりしたという印象を持っています。
非常に面白い試みだと思っています。
私からは以上です。


【選挙制度改革について】
Q:衆議院の選挙制度改革を巡り、衆議院議長との意見交換でどのような発言をしたのか。
A:選挙制度に関して、我々はすでに法案を提出しています。国会議員を定数3割削減し、選挙区240、比例区96にする案です。
我々は選挙でも「身を切る改革」を訴えておりますので、国会議員定数の大幅削減を求めたいと申し上げました。

Q:それに対し議長からどのような発言があったのか。
A:前向きにご意見として承りたいとのことでした。

Q:昨日、1票の格差に関する最高裁判決が出されたが、1票の格差是正に関して議長にどのような発言をしたのか。
A:1.99は合憲で、2.01は違憲だという。個人的な感想ですが、民主主義の原点である選挙制度の細かいところまで最高裁なり司法が判断することが本当に正しいのかという疑問は持っています。憲法では「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」となっていますが、「正当に選挙された」ということしか日本国憲法は定めていないのです。ですから、司法の判断に若干の違和感があることは確かです。
1票の格差云々よりも、消費税増税、社会保障削減をしなければならない今の日本の財政状況で、国会議員だけがこれまでと同じ議員数を維持して良いのか、そのことを我々は問題提起しているのです。

Q:議員定数3割削減を主張する維新に対して、「衆議院選挙制度に関する調査会」は1票の格差是正を優先させ定数削減には否定的な声もあり、他党も維新ほどの大幅な削減は示していない。他党との隔たりが大きく、実現は困難ではないか。
A:「衆議院選挙制度に関する調査会」を設置した時、私は(日本維新の会 国会議員団)幹事長であり、会派代表者でした。
1票の格差是正に重きを置いて佐々木毅先生をはじめとする専門家の皆さんに議論をお願いしたわけではないのです。どちらかというと議員定数の大幅削減の方に重きを置いて頼んだはずですが、いつの間にか1票の格差是正の方に重きが置かれ、問題がすり替わっているのです。
ヒヤリングの時も専門家の先生方に申し上げました。我々は、1票の格差是正のために皆さんに議論をお願いしたわけではありません、と。
当時の野田総理と安倍総裁が消費税増税までに議員定数の大幅削減をする前提で合意して、衆議院解散となったため、我々は調査会に議員定数の大幅削減に重きを置いて議論をお願いした。それが気づいたら調査会の議論は1票の格差是正に重きが置かれているのです。それはおかしいのではないですかと、以前の調査会のヒヤリングで申し上げました。調査会の専門家から民意を代弁するために定数を削減することが果たして良いのかとも質問されましたので、それは意味が違うのではないでしょうかと申し上げました。1票の格差是正のための調査会ではありません。それも議題のひとつですが、私の認識では、それは2番目のテーマだと捉えています。


【自民党のTPP対策について】
Q:土地改良事業について、民主党政権は効果が薄いと大幅削減し農家の戸別所得補償を充実させたが、自民党はTPP対策として200億円増額し1000億円を予算に盛り込む見込み。どちらが効果的と考えるか。
A:先日の予算委員会でも質問しましたが、TPP対策で農家のためだと言いながら自民党は結局また公共工事を行うのです。
蛇口をひねれば水が出るような水田を減反しておきながら、土地改良事業という公共工事にお金をつぎ込む。自民党政権時代、土地改良事業をやっていましたが、農家の生産力や所得は上がったのでしょうか。農家のためと言いながら、結局は農家のためにならない公共工事に陥る。
先日の予算委員会で質問した時、安倍総理はウルグアイラウンド対策のときのように温泉ランドのようなものを作るようなことはしないと言っていたはずですが、TPP対策の名を借りて公共事業が出てきた印象を持っています。例えば必要な物、古くて動かなくなったポンプを直すようなことは必要です。しかし、蛇口ひねれば水が張れるような田んぼを減反しておいて、土地改良事業をやるとは一体、何なのでしょう。

Q:高知県で行われた自民党のTPPキャラバンで、農家の声を切り捨てる形で土地改良事業予算の増額を目指す発言が自民党幹部から出された。これについて農業の盛んな熊本選出の代表はどう考えるか。
A:民主党政権の時に「コンクリートから人へ」、農業インフラ整備から一人ひとりへの戸別補償制度へ切り替えたはずです。今でもその考え方には賛成です。農家が安心して生産できるような状況を作ることには同意します。しかし、農家支援に名を借りた公共事業には大反対です。自民党は結局そうなるのです。


【野党再編について】
Q:昨日、「『憲政の常道』を取り戻す議員有志の会」が開かれ野党4党から代理も含め100名以上の国会議員が参加したが、野党再編に向けた会の意義と、今後この会に期待することは。
A:講師の成田憲彦氏が説明し、私も発言しましたが、ここ何回かの国政選挙すべて、野党に投票している有権者の数の方が多いのです。ただ野党がバラバラで票が分散しているので、結果は自民党が勝利しているのです。それは、昨日配られた成田氏のデータにも出ています。
野党同士で、ここが違う・あれが違うという話ではなく、ある程度方向性が一致できるならなるべくまとまって票が分散しないようにしなければ戦術的に絶対に勝てないと思っています。
同時に、我々は有権者の皆さんに、いかにして手垢のついていない魅力的な政党を作るかを見せなければならないと思います。民主党の岡田代表にも申し上げていますが、きちんと政策の旗を立て、政策の旗の下に結集して新しい党を来年にも作るべきです。
Q:参院選の1人区で無所属の候補を擁立し、野党が共同して応援する案をどう考えるか。
A:比例はそれぞれ全国区で戦うわけですが、選挙区で無所属の候補者1人を擁立する方が有権者の皆さんが投票しやすいのか、1つにまとまった政党が比例と連動して1人の候補を擁立した方が良いのか、これから戦術を練っていかなければいけないと思います。
いずれにしても、野党系候補に投票している有権者の数の方が多いので、その声を集約する方法を考えていくべきだと思います。私は、1つの党になった方が、効率が良いと思っています。


【企業の内部留保への課税について】
Q:今日も官邸で政府と経済界が意見交換する官民対話が開催され、政府は企業側に設備投資や内部留保を吐き出すよう求めているが。
A:党として正式に決まったことではなく私の持論ですが、法人税減税により企業の内部留保が増えています。去年も一昨年も政府は企業に留保金を人件費や設備投資に回すようお願いしました。しかし、留保金はさらに十数兆円積みあがっていると思います。
企業の活力向上のためにも法人税減税は行うべきだと思いますが、法人税減税をやるならば留保金課税とセットでやるべきではないかと思います。個人的には、企業にお願いしても設備投資や人件費に回してくれないならば、そのような方向に動くような課税を考えるべきだと思うので、我が党の政調にも言ってみたいと思います。
内部留保への課税は二重課税だという議論もありますが、地方税の例ですが取得した土地に対し固定資産税1.4%と都市計画税0.3%を合わせた1.7%の保有税を課しています。法人税減税により企業に留保金がどんどん貯まっていくならば、私は薄くて良いので留保金に課税すべきだという持論を持っています。
Q:基本的に企業が判断することではないか。
A:いいえ。課税は政府が判断することです。
企業が設備投資に回さないと判断するのであれば、課税も考えるべきではないか。300兆円に1%課税すれば3兆円ですから、消費税1%分くらいになるのではないでしょうか。


【おおさか維新の会に関連して】
Q:11月23日に江田前代表が富山で講演し、6月に松井知事が自民党と手を組むから我々はもう政権交代を目指さないという発言をしたと暴露した。これに対して松井知事あるいは、おおさか維新の会から事実無根だと抗議があったか。あるいは、江田氏から勘違いだったという訂正のコメントはあったか。
A:わかりません。おふたりで食事をされた時の話なので中身は分かりませんが、江田氏はそのように言っています。
Q:大阪ダブル選挙について、自民党は共産党と組んだために票が流れたという見方がある一方、自民党が手抜き選挙をしたという見方もあるが、どう分析するか。
A:分析はよくわかりませんが、少なくとも都構想を掲げたおおさか維新の会の候補者が勝利したことは、良かったと思っています。
大阪府民・大阪市民の皆さんが、選択したことです。
Q:おおさか維新を野党系とみなすのか、野党再編・共闘の対象になり得るのか。
A:これからの活動を見てみなければわからないです。
Q:今週・来週、各委員会の理事懇談会が開催される予定ですが、除名された大阪系議員が除名に納得せず以前のように理事懇談会に出席して、維新に残った議員とかち合ってしまうのではないかと心配する声が他党から出ているが。
A:それは無いのではないでしょうか。
委員会の理事などの変更は、すでに会派代表者の名前で届け出ているわけですから、無いと思います。


以 上