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国会議員団松野頼久記者会見

【2015.07.16】松野頼久代表 記者会見


平成27年7月16日(木) 松野頼久代表会見における発言
 【衆院本会議における安保法制の強行採決後】


今日は安保の法案採決がありましたが、我々の考えというものは壇上で申し上げた通りです。
昨日委員会を打ち切り、今日単独で強行採決をしたということに対して、壇上でも抗議をしましたが、何でこんなに急ぐのかまったくわからないというふうに思います。


Q:維新案で起立をし政府案で退席をされたことについて、改めてお伺いいたします。
A:当然我々が自分で出した法案ですし、特に中身の出来も非常に良かったですし、作業をしてくださった皆さんの努力に対して、自分たちで議会に出した法案に今回は意思表示をしたということです。
政府案に対しては、初めから我々の案をきちんと取り扱って下さいねと。退席ありき欠席ありきの対応をしてきたつもりはまったくないのですが、いきなり打ち切って強行採決ということだったので、抗議の意味も込めて退席したと、ご理解いただいて結構だと思います。


Q:自民党は60日ルールを使わないと言っていますが、仮に衆議院に戻ってきて使おうとした場合、不信任案を提出して引き延ばしするなどという可能性はあるでしょうか。
A:60日ルールを使うか使わないかということはわかりません。
ただ60日ルールが残っている状況の中で採決して参議院へ送ったので、ここからどういうものになってくるか、現段階では何も決めていないというのが現実です。


Q:法案が参院へ送られる際に、所属議員が11人という数の制限がありますが、野党としてどういうスタンスで臨まれますか。
A:我々の案は示してきましたので、政府案の問題点をしっかり指摘することによって、ある意味我々が法案を出したことによって安保の議論はわかりやすくなったのではと思います。
たとえば今日も申し上げた通り、自衛隊の活動範囲における地理的概念を入れたとか、ホルムズ海峡とか地球の裏側までは我々の案では行かないとか、憲法の範囲内でぎりぎり出来るのが我々の案だと考えておりますので、ここから先は憲法の範囲を超えていくのではないかということは非常にわかりやすく議論できたのではないかと思います。
やはり同じ路線で我々の案と政府案の違いを明確に、また政府案の問題点をしっかり野党として指摘させていただこうと思っております。


Q:審議には応じていくということでしょうか。
A:もちろん


Q:維新案を改めて参院に提出するのでしょうか。
A:それはもう一度、執行部で協議してから決めたいと思います。


Q:政党間協議は継続するとのことですが、今後のスケジュールは。
A:今のところ日程調整にはまだ至っていないと報告を受けております。
まだ参議院で審議が始まっていないので、しばらくはちょっとお休みかなと思います。
参議院では特別委員会の設置もまだ出来ていないと聞いておりますので、参議院の審議が始まった頃からまたスタートしたいと思います。


Q:民主党との野党共闘としては参議院ではどのように臨まれますか。
A:衆議院で領域警備法に関しては共同提出しましたので、その範囲内ではきちんと足並みを揃えて行くだろうと思います。
あと民主党に限らずすべての野党と、やはりある程度今回の強行採決を止められなかったということで、野党が一つになっていく必要があるのかなと思います。


Q:今日の討論で、言語道断の暴挙だと、厳しい言葉を使っていましたが、こうした言葉を使われた狙いは。
A:きちんと我々の案を取り扱ってくれれば、最初から欠席ありきの対応をするつもりはない、50人という小さい政党でありながら霞ヶ関の協力もない中で、皆で法案を作って真摯に対応してきたつもりにも関わらずああいう打ち切り方をしたので、非常に憤りを感じています。


Q:執行部が、ご存知ないところで独自案の修正案が与党側に示されていたとの報道もあるのですが、これについてはどう捉えられていますか。
A:どこまでの修正案なのかはわかりませんが、理事会等で交渉する過程の中でいろいろなことが出てくるのは許容範囲の中だと思っております。
ですので、どういう形のものが出されたというのは今私の手元に届いているわけではありませんので、色々な交渉の中で、執行部もこの辺の線なら飲むではないかというような話をすることは許容範囲ではないかと思っております。
ただ政党間協議では正式なものをまず示して、そして協議をしている最中ですので、正式なものは、政調会長・幹事長ほか、高村副総裁、北側幹事長がやっていただいているところが正式なルートだと思っていただければ間違いないと思います。


Q:単に打診した程度の内容・対応だったということでしょうか。
A:それは現物を見ていないのでわかりません。
ただ委員会の交渉をする中で、いろいろなことがあることは、私も理解をしております。


Q:本会議で安保法案が衆院を通過しましたが、これまでの衆議院段階での党の対応について、どうのような思いでいらっしゃいますか。
A:若干手前味噌になるかもしれませんが、40人という野党第二党でこれだけ存在感を示せて、ある程度我々の考え方も国民の皆さんに伝えられたということは、最後の強行採決を止められなかったことは残念ですが、ある程度の評価をしても良いのではないかなと自分では思っております。


Q:当初、維新案を丸呑みというか、そういうふうにしたいと。ですが今回の結論が出て、参議院で改めて対案を出して最低でも修正を盛り込むなど、今の結果を見てどうお考えですか。
A:最初から申し上げているように、本当に根幹部分が、今の政府案を変えられるのであれば、まだ参議院まで時間があるので粘り強く交渉をしていくべきだと思います。
やはり今回の政府案が通ったことで、本当に自衛隊の活動範囲が地球の裏側まで広がる可能性があり、また憲法改正を経ないで集団的自衛権の部分まで、いわゆる解釈によって拡大してしまったということに対して、あれだけの憲法学者が反対を唱えているわけですから、そこを止められるのであれば、粘り強く交渉をしていきたいと思っております。


Q:参院での自公との協議について。
衆院では維新案のつまみ食いは許されないという立場を貫いたと思いますが、参院でも同じでしょうか。
A:同じです。要はつまみ食いというよりも本当に根幹の部分を、たとえば自衛のためにしか武力行使が使えないとか、活動範囲も日本周辺であるとか、憲法の中にぎりぎり入るとか、そういう根幹の部分を私は何とか変えさせたいと思っております。
そのために自分たちの案をまとめて、憲法の範囲ぎりぎりの中で我々の考え方を示すと党首討論でも申し上げていた意味がそこです。


Q:政府案の不足に維新案の考えを入れるくらいでは認められないと。
A:根幹の考え方を正してくれるならばそれは有難いと思いますので、そこは政治家として進んでいきたいと思います。


Q:「存立危機事態」を撤回して、「武力攻撃危機事態」に乗り換えるくらいの修正を認めるのであれば合意に至る可能性があると。
A:と思います。ただ反対のために、日程闘争のために法案をまとめたわけではありませんし、真剣に相当な時間をかけて皆で議論をしてしっかりしたものを作ったつもりでいますので、本当に根幹を直していきたいという思いです。


Q:衆議院と参議院では違う論点もあると思いますが、早い段階で国際法学者に話を聞くとか、そういったお考えはあるのでしょうか。
A:我々は国際法学者を参考人で呼んで審議をするべきだと主張をしたんですね。
それも聞かずに打ち切って採決してしまいましたので、これはやはり参議院ではやるべきですね。
集団的自衛権と個別的自衛権、我々は本当に重なり合う部分という形で自衛権の再定義を申し上げているのですが、本当に国際法上の集団的自衛権にしても個別的自衛権にしてもいろいろなバージョンがあると思います。
その辺りはしっかり学者、専門家の皆さんに意見を聞いて議論をした方が良いと思います。
今日も私が壇上で答弁をしている時に、維新案も集団的自衛権じゃないかという野次が飛びましたし、いろいろな政党間協議の中で、またNHKの討論の中でも、高村さんがそれは集団的自衛権じゃないかということを仰っている、そこの線引きが非常に難しいのですよね。だからあえて集団的・個別的の神学論争に入らずに、あくまで自衛権であるということを我々は主張しました。
たとえば我が国の近海で我が国を守るために活動している条約を結んでいる、たとえばアメリカ軍、アメリカ艦船に関して、我が国を守るという事態に陥っているということは完全に自衛権なのだと思います。
ただ今までの個別的自衛権では直接の武力行使しか認めないという政府答弁があるので、そこよりは若干広いけれども、いわゆる自衛の範囲内で納めるという意味で、我々は自衛権の再定義ということを主張しています。非常にわかりづらい議論ですけれども。
政府の言うホルムズ海峡での機雷掃海。機雷掃海というのは今まで日本は海外での武力行使だから、ホルムズ海峡での機雷掃海もこれは海外派兵であるという判断を、今までの政府の答弁の中ではしてきました。でもホルムズに行くことは、少なくとも自衛の範囲ではないだろうと我々は思っています。
特に経済的理由というのは飛躍した議論だと思います。


Q:参議院の選挙制度改革で、自民党が拘束名簿式を検討していますが、その点についてはいかがでしょうか。
A:僕らは衆議院の議員なので参議院のことは、なかなか言いづらいですが、ただ今回の合区であぶれた人の救済だというようなことが言われているので、もしそういうことであれば大きな冒涜だと思います。
合区に踏み切って我々の案に寄ってくれたことに関しては一定の評価はしていますが、まさか拘束名簿式を一部入れて合区によってあぶれた人を救済しようという考えであるならばこれは言語道断だと思います。
今日、うちの参議院の議員総会でそんな議論が出ているのではないでしょうか。


Q:昨日、自民党の二階総務会長と対談をされたようですが、これはどういった経緯で対談をされ、またその中身はどういうものだったのでしょうか。
A:何か意味があるわけではなく、たまたま前から入れていた日程が昨日の採決の日にあたっただけで、いろいろな方とお付き合いをする中での一環です。
なにか中身とか具体的な協議があったわけではありません。


Q:新国立競技場の問題について。一連の流れについて、どうお考えでしょうか。
A:安保が終わりましたので、集中審議を文科委員会か予算委員会でしっかりしなければいけないと思います。
今までのいろいろな流れを見ていても、誰が責任者で、誰の責任でこんなに広がったのかがわからないのですよ。
その辺りをしっかり、税金を投入するわけですから、国の予算委員会なり文科委員会でしっかりとした集中審議が必要だと思います。
ただ下がったから良いだろうという問題ではないと思います。


Q:新国立競技場の問題で、一番根底にあるのは、デザインは民主党時代に決まったとしても、その後の安倍政権時代の公共事業のバラまきというか、具体的案を見直さなかったり、国土強靭化と称して公共事業を多く発注したりして資材不足・人材不足による工事費の増大を招いたということが根底にあると思うのですが、アベノミクスの責任についてはどう思われるでしょうか。
A:そういう原因もあるでしょうね。
これだけ巨大な国立競技場を作るのもその一環なのかもしれませんし、そういうことも含めて、しっかり責任の所在は誰なのか、どこなのか、なぜこんな拡大された予算になったのかということは、しっかり検証する必要があると思っています。


Q:参議院の所属議員が11人というのは、確かに5%くらいだと思いますが、一騎当千というか、参議院への期待はいかがでしょうか。
A:参議院は与野党のバランスが衆議院よりは近いので、緊張した審議ができるのではないかと思っております。
我が党にとっては片山虎之助参議院会長というたいへんな実力者がおり頼もしく思っていますので、きっと良い議論をしていただけるのではないかと思います。
真山さんもそうですけれど、安保調査会の小野次郎会長もおります。うちの案を誰よりわかっており、政府案の問題点をしっかりわかっている方です。小野さんは小泉内閣でイラク等の派遣の時の安全保障担当の秘書官でもありましたので、まさに「自衛隊が活動しているところが非戦闘地域だ」というあの小泉答弁の時に現場にいまして一番ご苦労をした現状をよくわかっている方ですので、そこは非常に期待をしております。
(了)